コンサータ中枢神経刺激薬について。
【物事をやり遂げられるようになる】
【ADHDの症状】
【実行機能】の低下に、コンサータはよく作用します。【実行機能】には様々な種類がありますが、特にADHDで障害されていると言われる【抑制機能】
(目的のために行動を抑える)
に、コンサータが効きます。
【実行機能】
思考と行動の制御を行う過程。
前頭葉の働き
【抑制機能】
何かの目的を達成するため、計画を立て【計画立案】(段取り)
計画に注意【注意力の維持】(ミスらない)
実行する過程を記憶【ワーキングメモリ】
、望ましくない行動を抑え【抑制機能】、実行に至ることが大事ですが、ADHDではその計画を実行する前に、【多動】になり他の行動をしてしまったりするわけです。メチルフェニデートはその点を改善します。
【ご褒美が待てるようになる】
ADHDの症状として、実行機能の低下と共に重要な報酬系の障害にもメチルフェニデートが効きます。
【報酬系の障害とは、ご褒美が遅れることが嫌で、損な行動をとってしまうようなことを指します。】
つまり、ADHDではもともとご褒美で動機づけを図ることが難しいと言われています。よい行動を促すためにご褒美を設定しても、【一番ほしいご褒美をもらう前に、
今の瞬間の気持ちを晴らすために良くない行動をとってしまうのです。】←れーさんとのお話に超重要。
メチルフェニデートはこの点を改善します。
自尊心を高めることが重要
メチルフェニデートは以上の効果が認められていますが、ただ、これらの効果は根本的な治療とはなりません。あくまでも対症療法であり、【メチルフェニデートを内服している間しか効かない】
それでも、メチルフェニデートは【特に中等度~重度のADHD】には役に立ちます。ADHDのお子さんは、
【一般的に怒られてばかりいます。注意しても言うことを聞かない(実際には言うことを聞けない)ため、怒られても同じことを何度も繰り返し、大人の方も「何度言ったらわかるの!」と怒鳴っている風景もよく見ます】
【特に多動や衝動が強いタイプの場合、親も子供も、そして学校の先生も皆疲れ果ててしまうでしょう。】中には、虐待寸前のご家庭や、反抗や非行が強いお子さんとなってしまう場合もあります。あるいは、
【「自分はダメな人間だ」という思いが頭の中にこびりついたまま長年を過ごし、成人になっても自尊心が非常に低く、何をやっても自信がないタイプの方もいます。】
こういったことを考えると、例え対症療法であるにしても、
【内服することによって良い行動をとり、褒められるという経験を繰り返す】
【「自分は自分でいいんだ」という自己肯定感を持てなければ、幸せを感じることは出来ないでしょう。】
ADHDでは、お薬以外に、ソーシャルスキルトレーニングやペアレントトレーニング、学校や自宅の環境整備などがよく行われますが、これらの方法が効果がない時には、やはりお薬を考慮すべきでしょう。ただ、もちろん、これらの方法を試さないうちから、すぐにお薬を急ぐ必要はありません。
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